「ボロネーゼ」というパスタを知っていますか?ミートソースのイタリア語?なんてイメージを持ってる方も多いはず。でもイタリア発祥のボロネーゼと、アメリカ経由で日本へ伝わったミートソースには大きく違いがあります。
本場イタリアの伝統料理であるボロネーゼについてを中心に、ミートソースとの違いについても解説していきます。最後にパスタ以外にも使えるボロネーゼのアレンジ方法についてもご紹介!

 


ボロネーゼとミートソースの違いとは?

ボロネーゼとは

ボロネーゼは、「ボローニャ風」という意味ですが、ボローニャの伝統料理である「ラグー・アッラ・ボロネーゼ(Ragu alla bolognese)」を指します。主に牛肉や豚肉を使用した、肉とトマトのソースです。フランス料理の「ラグー(煮込み料理)」を見て、ボローニャの富裕層が作らせた贅沢なソースが発祥だとされています。
ボロネーゼは、現地では卵を使った生パスタのタリアテッレと組み合わせることが多いです。

 

 

タリアテッレ



ミートソースとは

日本では親しみ深いミートソース。ボロネーゼ同様、肉とトマトを使ったソースですが、そのルーツはアメリカにあると言われています。
イタリア系移民がアメリカでミートソースを作るようになり、それが戦後にアメリカの進駐軍が日本で食べるようになって日本に伝わりました。
1940年代に喫茶店や洋食店などで提供され始め、1959年に缶詰が発売されたことにより、一気に一般家庭へと広がったと言われています。

 

 

 

ボロネーゼとミートソースとの違い

一般的に、ボロネーゼとミートソースの主な違いは、大きく3点あります。

肉々しさ

トマトの量

甘みの出し方



それぞれについて説明していきます。

 

 


肉々しさ


ボロネーゼでは粗挽き肉を使うのに対し、ミートソースは細かい挽肉を使うことが多いです。
粗挽きの方は肉の味を感じることができ、細かい挽きは食感がなめらかになります。
ボロネーゼの方がより肉々しさを意識したソースと言えそうです。

 

 

トマトの量

ボロネーゼは肉がメインのソースのため、トマトの比率はそこまで多くありません。トマトは少なく、野菜やワインの味が感じられるように作られています。
これに対し、ミートソースはトマトベースが多いです。そのためトマトの比率が多くなっています。色もボロネーゼは茶色の見た目であるのに対し、ミートソースはトマトらしい赤に近い色をしていることが多いです。

 

甘みの出し方

ボロネーゼはニンニク・たまねぎ・にんじん・セロリという、香味野菜と呼ばれる素材の甘みを引き出すように作っています。
一方、ミートソースはケチャップやウスターソース、砂糖で味を整えています。アメリカナイズされた、甘い味付けが特徴です。

 


ボロネーゼの美味しさに迫る!


美食の町、ボローニャ発祥の伝統料理

 

イタリア北部、エミリア=ロマーニャ州にあるボローニャという町で生まれたがボロネーゼです。ボローニャは「美食の町」と呼ばれ、イタリアでも食文化が栄えている地域の一つであり、ボロネーゼはその象徴的な味として世界中で愛されています。

 

 


肉がゴロゴロ、ボロネーゼ

エミリアーロマーニャ州は産業や経済活動も盛んで、イタリアの中では裕福な州です。そのため所得水準が高く、高級である肉の消費が多いとも言われています。ボローニャにはソーセージやハムなどの肉加工品が多く、牛肉の消費量も他の州と比べて多いです。
富裕層が作らせたのがきっかけというだけあり、ボロネーゼも肉を感じる贅沢なソースです。
だからこそ、粗挽き肉が使われています。

 

 


味を支える香味野菜とワイン


ボロネーゼには、香味野菜が欠かせません。これらを細かく刻んで、オリーブオイルやバターでじっくりと炒めた煮込みのベースを「ソフリット」と言います。これが料理全体に深みと豊かな味わいを与える役割をしています。
また、赤ワインもボロネーゼの味を支える重要な要素です。赤ワインの酸味が肉の旨みと調和し、風味を引き立てます。

 


忘れちゃいけないパルミジャーノレッジャーノ


エミリア=ロマーニャ州にはボローニャの他に、有名な町「パルマ」があります。ここは、イタリアを代表するチーズ「パルミジャーノ・レッジャーノ」の産地であり、パルマ産プロシュート(生ハム)の生産地でもあります。ボロネーゼを楽しむ際には、パルミジャーノレッジャーノチーズの旨みとと風味も欠かせません。

アレンジ色々!パスタ以外にも。

ラザニアのソースに


ボロネーゼのソースは、パスタ以外にもさまざまな料理に使うことができます。例えば、ラザニアの層にボロネーゼを挟んで、濃厚な味わいのラザニアを作ることができます。ボロネーゼの肉とトマトの組み合わせが、ラザニアと相性抜群です。

 

 

 

相性のいいナスとグラタンで

ボロネーゼのソースは、ナスと一緒にグラタンにしても美味しいです。ナスとボロネーゼソースの相性は抜群で、チーズとともにオーブンで焼くと、とろけるような味わいが楽しめます。


サラダのアクセントに


また、ボロネーゼのソースをサラダのトッピングとして使用することもできます。サラダにボロネーゼをかけることで一気にコクと食べ応えが増し、ヘルシーなサラダにも満足感が出ます。

 

 

最後に

ミートソースとひとくくりにされることも多いボロネーゼですが、その正体は肉々しさや香味野菜のコクから深い味わいを感じる伝統料理でした。
裕福な美食な町「ボローニャ」発祥だけあり、いい肉やいい素材などで味わいの変わる、贅沢な料理でもあります。
貧しい中での知恵から生まれた料理の印象が多いイタリア料理ですが、こうして貴族文化からイタリア料理の歴史を見るのもまた、奥深くて面白いですね!

 

 

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